當社グループは「人々が社會と共生した快適で豊かな生活空間」を創造し、製品を提供し続けることで世界のお客様に信頼と感動を伝え、豊かな社會づくりに貢獻します。
自動車業界は、自動運転の実現にむけて、環境?安全?経済などさまざまな側面で変化が進んでいます?!腑h境面」では、溫室効果ガスであるCO2の排出削減にむけた電動化が進み、「安全面」では、車両や道路狀況にかかわる情報をセンサーで取得し、事故を未然に防止する安全運転サポート技術が進化しつつあります。そして今後は、それらのデータをネットワークを介して収集?蓄積?分析することで、「経済面」でもさまざまな価値やサービスを生み出すことが可能になると考えられています。一例としては、現在、ライフスタイルの変化に伴って自動車を個人で所有せずに、必要な時にカーシェアリングやネットで配車予約したタクシーを利用するシーンが増えていますが、車両や道路狀況にかかわる膨大な情報を分析?活用することで、より快適にこれらのサービスを利用できるようになると考えられています。
このように、今まで以上に自動車を利用する「目的」や「価値観」が多様化し、自動車に求められる「提供価値」や「魅力」も変化していくと考えられます。そのため、當社グループは「人にとって好ましい空間」を提供し続けることで、変化する社會の期待に応えていきたいと考えており、以下の領域の技術開発を強化しています。
自動車業界を取り巻く変革
以下では、社會価値の創出に寄與している當社および関係會社の商品?サービス事例をご紹介します。
當社では、自動車の排出ガスに含まれる溫室効果ガスの削減に貢獻するためにシートの軽量化に取り組んでいます。當社が開発したシートフレーム「TTK2.0フレーム」は、従來のシートフレームと比較して製品の安全性や機能性を維持?向上させつつ、部品點數を30%削減するとともに、鋼材および工法を最適化することで製品重量を15%軽量化することを実現しました。
本製品は、アメリカ、ブラジル、メキシコ、中國で2016年以降の量産車種へ採用されています。
開発者の聲
フレーム技術部 課長 久保田 友久
TTK2.0は特殊鋼材の採用による薄板化と、新締結技術の採用による合理化によって軽量化、低コストを実現させたタチエス提案骨格(TTK)の進化版です。カーメーカーの高い要求性能を満足させる為にコンピュータ解析チームと連攜し、従來の2倍以上の膨大な回數のコンピュータ解析を実施、また新締結技術の具現化にむけては生産技術チームと先行開発に取り組むなど、全社一體となることでようやく開発完了に至りました。
當社では、運転者や同乗者に安心?安全で事故のない快適なモビリテ??臻gを提供することが使命であると考えております。
當社はクラリオン株式會社の音響技術を活用し、共同で運転支援システム「InfoSeat?」を開発しました。
本製品は、シートに內蔵されたヘッドレストスピーカーとマイクおよび振動ユニットを用いて、音聲と觸覚を通じ、人や車両の安全や走行に関わる情報を運転者に與えることを可能とする製品です。
本製品は、耳の不自由な方や高齢運転者などに対しても有効な運転支援システムであることなどが評価され、一般財団法人國際ユニヴァーサルデザイン協議會(IAUD)がユニヴァーサルデザインの特に顕著な活動の実踐や提案を行なう団體?個人を表彰する「IAUD國際デザイン賞」の金賞を2018年に受賞しました。
インフォシート(InfoSeat?)
インフォシートおよび振動ユニットによる“気づき”の提供イメージ
開発者の聲
先進開発技術企畫部 開発擔當 黒部 亮
インフォシートはクラリオン株式會社と共同で開発することで、當社に無かった技術や知見を取り入れた新しい製品の開発ができました。同乗者へ違和感を與えず運転者のみに情報伝達をするために、構造の工夫など試行錯誤を繰り返し目標達成することができました。このような取り組みについて、「IAUD國際デザイン賞」で金賞の評価をいただけ大変うれしく思います。
自動車がパーソナル化した社會では、魅力的なデザイン表現が消費者の満足度を高め、豊かな社會づくりに貢獻すると考えています。
緻密で魅力ある多彩なデザインをシート上に実現する技術開発に取り組みました。當社では、コンピュータ制御されたミシンを用いて、従來のパンチング加工と縫製加飾の2つの異なるデザインを高い精度で組み合わせることで、緻密で魅力あるデザインを実現しました。
デザイン性の高いシートのデザイン加工技術「パンチング加工&縫製加飾」
開発者の聲
トリムカバー技術開発部 開発擔當 巖田 洋介
従來よりも高い精度で、自社で加工することを目標として開発に取り組みました。製品を見たお客様に、感動し満足していただけるよう責任感をもってやり切りました。今後も、さらに魅力ある製品を生み出す加工技術の開発に取り組みたいと思います。
當社のグループ會社である株式會社タチエスH&Pは、高齢化社會における福祉の向上に貢獻することを企業目的とし、シートメーカーとしての知見を活かした介護?福祉用品事業に取り組んでいます。
このタチエスH&Pが開発?提供する製品の一つに「GET WELL透析用電動チェア」があります。
GET WELL透析用電動チェアは、長時間にわたる血液透析治療による患者様の心身に掛かるご負擔を軽減し、快適にお過ごしいただくために、手元のリモコン操作でリクライニングやオットマン(足乗せ用ソファー)の角度を手軽に調整することが可能で、長時間にわたる治療でも體勢がずれにくく、リラックスいただくことが可能です。また、表皮材には抗菌機能と防汚機能を備えたソフトな風合いの特殊な人工レザーを使用しており、衛生的な狀態を保てるように配慮されています。
GET WELL透析用電動チェア
開発者の聲
タチエスH&P 技術部 課長代理 山本 卓朗
透析用チェアは、患者様が長時間の治療を快適に過ごせ醫療従事者様が治療をしやすいチェアである事を目指し、自動車用シート設計を応用して開発をしました。座り心地の良さやユーザーにとって必要な機能を織込んだチェアは、全國の透析施設にてご好評を頂いております。今後は透析市場の動向やユーザーのニーズを取り込み、より良い製品の改良を行っていきたいと思います。